ホステスの母/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
の時担任の先生が僕の言う事に対して、そんな風に口をつぐんだのが、今でも気持ちの良くない、どんよりと嫌な感じで心の中に残っている。僕はそういう時、まあ所詮はセンセイって程度の人なんだろうな、と思い直し、わずかな怒りを納めている。母は、確かにどうにもならない人ではあるのだが、それなりに真面目に一生懸命生きていたのだと思うから、つい怒ってしまうのだった。その生き様自体は別に恥ではないとも、強く思う。もちろん、決して威張って言える事ではないのだが。
それともうひとつ、不思議に思う事がある。母は、実はとても不細工で、女としての器量はどうにもならないと、兄弟の意見が一致する程なのだが、その母が何故、よりにもよってホステスなんかやったのだろうか、と。
まあそんな事くらいは、母に聞いてみればいいのかも知れない。もっとも、とても怖くて、僕からは聞けないのだが。
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