ホステスの母/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
だ。当然簿記も知らず、小料理屋をしていた時も客の言うままにツケを許していた。よくそれについて言い訳もしていた。
 そして酒も好きだった。訳のわからない事を叫びながら家に帰ってくるくらいになるまでよく飲んでいた。いわゆる酒乱なのだ。介抱する僕にとってはとても迷惑な事だった。時には小便まで漏らして帰ってきた。酒くさい小便の匂いに僕まで吐いてしまいそうになった。そんな調子なので、いつのまにか僕の知らないうちに、自然と店は畳まれていた。母はその後よほど懲りたらしく、病院の付き添い婦に職を見つけると、以後体の不調が原因で辞職するまで十数年そこで働き続けることになった。
 そういう母の失敗の、後始末はどう
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