ゆらぎ/松本 涼
 

僕がじいっと空を見ると
空はもっとじいっと僕を見る


まるで僕は透けてしまうようで
慌てて空から目を逸らす


焦がれにも似た静かな揺らぎが
遠くからやって来て
遠くへと帰っていく


その余韻に操られるように
僕はまた空を見る



出来るなら
もっと近くで泣きたい




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