沈黙と怒り/小林レント讃4/渡邉建志
やはり
闇と 同化 するのを好む}
つきはなしたように、百科事典文体でコイビトノカゲについて描写する。くりかえしと、実に効いている「やはり」が、そのつきはなした百科事典の雰囲気をつよくする。ユーモアですらある。そのつきはなしかたが逆に不気味。しかし、
僕は 走るん だ
あの コウモリの ところまで
視点は百科事典的なものから一人称の独白へ変わる。この引用部のリズムはなかなか忘れられない。「走るん」と「だ」の間のスペースの。相変わらず間(MA)について。僕の声が聞こえる、息が聞こえる、さっきまで百科事典であったはずの僕の。焦りはクレッシェンドする。
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雨の 底
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