沈黙と怒り/小林レント讃4/渡邉建志
 




彼特有の痛覚/触覚に直接やってクる表現、のなかでもいちばんすきなのがこの水の玉が頭のてっぺんではじけるシーンだ。音まで正確に想像できる。そして「僕は 眼をつぶった」の一文字スペースの長さも正確にはかることができる。その間!はじけて、彼/僕が目をつぶるまでの、反射のディレイがこの間なのだ、と強く思う。



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対象としていた1999年6月から1999年11月の5ヶ月が今回で終わる。ここで「初期」が終わり、無邪気で素朴な文体が消え、練りこまれた複雑な文体が始まるような気がする。これから取り上げる3つの作品は、この2つの文体の強烈な分水嶺であり、その危ういバランス
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