銀光の街/jei
カメラ
空を埋め尽くす 無数のeyes
僕の中の 無数の「べき論」
銀の冷たい手触りのこの街が
熱帯の熱さで
僕にちっ息を迫っている
迫っている
3.
チーターがインパラを追いかける
あ!
ほら!
逃げて! 逃げて!
インパラを捕まえて喉元にかみつくチーター
きゃー!
カワイそー!
やだ、やだー!
どっかの馬鹿女の
そんな悲鳴が聞こえて
僕は必死に笑いをこらえながら
空中に浮んだ木枠だけ
の窓から
インパラを食うチーターを見おろしている
しょせん弱肉強食
食うか食われるか
あ、
やばい。
笑っちゃいそうだ。
僕の金属的な高笑いを合図に
呼びもどされたのは
巨大なビル群と
そして
たわわに重なる自動車の排気ガス
の
眼下
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