歩き方の解説者/炭本 樹宏
 

 空白の時の中
 信じるものが遠ざかる
 
 行き交う人の表情からは
 僕との温度差を感じずにはいられない

 異国では自らの命を犠牲にして
 正義のために 闘っている人がいる

 生ぬるい生活を送る僕達は
 平和とうまく折り合いがつけなくなっている

 まっすぐに歩こうとすれば
 解説者が 歩き方まで教えてくれる

 ありがたいけど 自分の歩き方を忘れてしまう

 夜風を浴びながら 明日の自分を思い描く
 どこに流されるのか
 どこにたどりつくのか
  
 甘いケーキが無性にほしくなった




 
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