生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
示してみよう。
どこかの公園で鳴る鐘の音
どこかの公園で
鐘の中に入って遊ぶ老人
鐘をつくのは子ども
街に住む
100人の子ども
くりかえしがかぎのように次の文章を開いていっているのが見える。なによりも、すべて体言止で、なんともいえない空白の沈黙があとに残されるようになっている。いや、やっぱりすごいのは、鐘の中に入って遊ぶ老人というナンセンスさで、そんなことをして楽しいのか!そして案の定その鐘を子供が突きに来るというマサルさん的展開である。しかもただのこどもではない… 100人の子どもだ…! というわけである。おもしろい。最後の聯の見得の切り方はおなじみのくりかえし構造によるおさなかっこよさである。
(続く)
2005/8/14,15,16,17; 9/30 改稿
[グループ]
戻る 編 削 Point(3)