生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
 
ように
苔が生えている}
この視点のゆっくりとした移動を見よう。まず鯉の墓(なんでそんなものがあるんだ?)がある。「しらじらと/灰色」に。そして、次にカップ酒を見るが、すごいのはカップ酒、その中身は実は雨水なわけで、少年はそこになんともいえない感銘を受けたのだろう。僕らも感銘を受けるのである。その意外性と、次にそのほったらかされ感。さて、視線は地蔵へ。地蔵。この不思議な存在。子供のようでいて、老人のようでもあり、ただ静かにたたずんでいる。(少年詩人と同じように。) おそらく地蔵は多くの自殺者を「見て」きたのだろう。そっちをみて笑っている/泣いている(!)。この部分の美しさといったら、もう、、、
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