因数分解中毒者のために/小林レント讃2/渡邉建志
 
温はいつもおんなじよ。あなたの体温、すごくラブリーだわ」
「なんでもラブリーなんだね」
「ううん、あなたの体温は本当にラブリーなの。あなたの体温はわたしの自慢なんだから」}
あといろいろ言いたいことがこの詩にはあるのだけれど、この詩は愛しすぎているので言いすぎるのは自分に対して無粋だし、とにかくみなさんには深く味わってほしいです、とだけ言って、でも一つだけ指摘したいことがある。

第三聯は敢えて短くおさえて世界を静かに保ち、第四聯は例外的にすべての行が複数のかたまりを持っている、ということ。その絶妙なバランス感覚。そしてこの最終行にこそ、僕は詩を見たのです。小説と詩の違いを「毒」の一言に
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