ねむらない/竹節一二三
 
ねむるように
愛しはじめたら
指先から
すなが こぼれおちた

これは
何の記憶?

貝の
うねうねとうごく足から
岩に
しがみついたフジツボの悩み
夢はくらくとおく
わたしを求める

ねむらない夜に
夢をみる
靴をはいて
そとにでる

きみは 夢の中に
花をみる

ならば わたしは蝶になり
きみにくちづけよう

ねむらない朝に
きみを夢みる
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