汗臭い 仁王/奥津強
 
汗臭い 髣髴とする 悪魔の 香りだ
匂い そう 言い換えてもいい
私の 魔笛は 虚ろな 無人駅の
顔のない 踊り子によって

汗臭くなる
ので
(誰だ、私を 命令する、 散歩の 自殺者は)
彷彿とするので

仁王が 私と 婚約する前に
その 巨大な 足で
私は 天体の 信者となるのだ


汗臭い
何かが 間違っている・・・・・・
道の先には
10円玉が 首を つっている様を
見届けるはずだ

何かが・・・・・・
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