超えなければ/炭本 樹宏
 
 見も知らない男が 僕に微笑む
 春には 小さな子に 何が釣れるのとたずねられた

 見を切る寒さを 吹き飛ばす
 人肌の温もり

 ありきたりの 思考回路
 高く高くそびえたつビルの屋上は
 死の匂いが 漂っていた

 夏 秋 冬

 超えなければならない

 春の祝福をうけるには
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