海の中で思う/
八月のさかな
飽きてしまった
褒めるのにも
褒められるのにも
飽きてしまった
幸せにするのにも
してもらうのにも
深度たった20メートルの
海の中から見上げた太陽は
とても美しくて
けれどとっても遠い気がした
マスクに閉じ込められた涙は
海になりたいと叫んでた
飽きてしまった
笑うのにも
誰かを笑わせるのにも
目を閉じた
それでも
青い世界は目の前にひろがっていた
酸素ボンベのシューシューって音が
とてもとおくきこえた
戻る
編
削
Point
(6)