海の中で思う/八月のさかな
 
飽きてしまった
褒めるのにも
褒められるのにも

飽きてしまった
幸せにするのにも
してもらうのにも

深度たった20メートルの
海の中から見上げた太陽は
とても美しくて
けれどとっても遠い気がした
マスクに閉じ込められた涙は
海になりたいと叫んでた

飽きてしまった
笑うのにも
誰かを笑わせるのにも

目を閉じた
それでも
青い世界は目の前にひろがっていた

酸素ボンベのシューシューって音が
とてもとおくきこえた

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