にべもない話/あおば
一昔前には
ありえないことが
当たり前になったと
思いながら仕事している
腹が空いたのを
気がつかないふりして
お昼の御飯を取りにいくと
真っ白でつるつるな
紙の箱に詰められた
幕の内弁当を渡してくれた
お茶はと聞いたら
ご自分で買い求めて下さいと
にべもないご返事で
お茶は個人の嗜好品だと告げられた
我が家にいるときは
お茶は好きなときに好きなだけ飲めるので
何時でも何処でも
飲みたいときに飲みたいだけ飲めるものと思っていた
今まで
ただで飲めたものをお金を払うのは口惜しいので
ナミダを飲んでガマンした
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