告白/むらさき
 
「yes」といったら君が現れ
「no」といったら君が消える
 この二つの差というやつは
 生と死ほど決定的だ
 きみとぼくの間で紡がれる
 幾千ものくだらない現実描写
 食べられていく野菜
 踏まれていく道を言葉にするなんて
 規則的な呼吸ほどどうでもいいことなんだ
 肝心なのはその質問に対するきみの答え
 たったyesという三文字で
 きみの頬の上に広がる産毛の存在を
 目をつぶっても確かめることができるのに
 ぼくが朝を迎えたとき
 太陽よりも先に見たいのはきみの瞳に宿る光だ
 だから言ってほしい
 ぼくの日常会話が全て奪われてもいいから
 yesと
 
 
 
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