君の声が/炭本 樹宏
 
 ずっと以前から
 僕はまわり続けている

 君の鮮やかで艶やかな声が呼びかけてきて
 今も僕は 操り人形

 フラフラ 街を泳ぎながら
 君と似た声を 聞くと 振り返ってしまうよ

 再会を 望んでも あの季節は戻ってこない

 春は桜の木の下で寝転がって見る 舞い散る花びらはパラダイス色だったね
 
 ギラギラの夏の海岸で戯れて 太陽と抱き合ったね
 
 癒しの秋風に身をまかせて ふたりで 口笛を吹いたね

 凍える冬は 街角で 温もりを求めあったね


 きみが僕の目の前から 去ってから

 季節は 色あせて

 涙のペンで ひとり 想いをつづ
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