君の声が/炭本 樹宏
ずっと以前から
僕はまわり続けている
君の鮮やかで艶やかな声が呼びかけてきて
今も僕は 操り人形
フラフラ 街を泳ぎながら
君と似た声を 聞くと 振り返ってしまうよ
再会を 望んでも あの季節は戻ってこない
春は桜の木の下で寝転がって見る 舞い散る花びらはパラダイス色だったね
ギラギラの夏の海岸で戯れて 太陽と抱き合ったね
癒しの秋風に身をまかせて ふたりで 口笛を吹いたね
凍える冬は 街角で 温もりを求めあったね
きみが僕の目の前から 去ってから
季節は 色あせて
涙のペンで ひとり 想いをつづ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)