独りごち/炭本 樹宏
 
 貧しい時間
 非生産的な時間
 世界中の誰一人さえしらない 僕独りの時間

 砂漠をさ迷うラクダのように
 僕の心は 愛であふれたオアシスを探し求めている

 今日から明日へ 飛び越えられる魔法の扉があればいいのに
 過去の事を全部消してくれる 魔法の消しゴムがあればいいのに

 まっすぐ歩くと 風当たりが強いんだよね
 器用に障害物をよけて歩く 友達がうらやましい

 ちっぽけな存在だから時々 大声で叫びたくなる
 明日が約束されてないから時々 わらにでもしがみつきたくなる

 そうか
 そうなんだ
 そうに違いないんだ
 
 答えは 産まれてきた命の数だけあって
 出会いと別れは 神の領域にあって

 このタバコの煙が 消えていく様に
 僕達も 形をかえながら いつか

 いつか

 消えていく 消えていく 消えていく

 それは絶望だろうか?
 それは希望だろうか?

 それは 心の軌跡で決まっちゃんだろうなぁ

 そんなことを考えて 独りごちする夜だった


 
 
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