あめ/服部聖一
バラバラという音
雨のにおいと、どきどきする感じ
階段をかけおり外に出た
大きいつぶの雨がまばらに落ちて
自転車に乗った腕まくりの高校生達が、立ちこぎで加速していくだけで
もうすでに碧はいなくて
灰色の雲が火事のように立ちのぼって
よどんだ空気を
すうっと風が通り
強く梅の木をしぼるのが見える
とおくで光 と音
5分もしたら
夜のようになって台風のような風 と雨
激しい雨粒で明日も見えない
あたれば大当たり
メールしようと思ったけど
あしたも来るし
とおり雨
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