旅先の川沿いを千鳥足で歩いた夜 〜博多にて〜/服部 剛
 
〜♪」

の銅像は盃を手に 
今宵雨に濡れた身を薄く光らせながら堂々と立ち
きりっとした目線を前に向けていた

駅の構内の入口が白く光るほうから
路上で若い女が弾き語る
る・くぷる の「陽だまりの唄」が聞こえてきて
夜の静寂(しじま)をつたうように届く報われぬ愛の歌が
この胸に沁みるままに
僕はふらふらと
白い光のほうへ 吸い込まれていった 



       * 原田種夫の詩「人間」より引用 




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