背中のぬくもり/
服部 剛
}らにいるたった一人の面影に寄りかかろうと
少し傾いている
強がって眩(くら)んだ瞳に見失う
幸せの波に乗り損ねていたのは
僕だったかもしれない
もう一度
もう一度
その無数に紅く小さい花々が闇に咲くシャツの下に
小さい寂しさを隠した白い背中のぬくもりを・・・
あの朝よりももっと素直に受け止めるから
僕の この 人知れず震えている 細い腕で
戻る
編
削
Point
(12)