柳川/什蔵
 

白い月が 
秋夜に はためく

この道は いつか
きた道

稲穂の
先に光りは
灯り

実る
真白き
宝石
かんで

川下り

柳の木

彼方がつくった
伽の街々

遊女
白壁
セイロのにおい
真実水路

有明海へ詩情は流れ
ぬすんだ自転車筑紫野はしる

高き葦原
広がる田園
夜は暗きみどりの空に

浮藻の思いで待つ娘
からたちの木の下
青い棘
水都の記憶

ダリア
すず虫 
連翹、萩花、

白玉
菱草
アカシア、酔徒、
観月船

河童の影に
オヤジがからむ
まぼろし

行き交う者の足音
軽く

古き友らの
呼び声響く

ああそうだよ

絹のよう
透けた風が月夜に
流る

一人道行く

彼の歌をよみ
彼の歌をだき





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