未来へ歩むということは。/あさみ
進まなきゃ。
さあ、あと一歩。もう一歩。
けど
見慣れた景色がそこにあるから
ただの一歩が踏み出せない。
なんて
ホントは とっくの昔に消えちまってたんだろう。
見慣れた景色なんてもんは。
些細な変化に気づけないほど鈍感になっちまったんだ。
徐々に変わっていく景色。
境界線なんて、きっと 無いんだ。
いや、境界線ならきっともう越えちまった。
もう二度と戻れはしないのさ。
さぁ
もう一歩、あと一歩、少しずつ。
進むしかないんだ。
戻れやしないんだ。
でも
狂気にすら縋れない理性が
ぼくを苦しめる。
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