くずれるび/jei
 



こぼれる夕暮れの赤

そのにじみの跡を

窓ガラス越し、指で混ぜれば

ばらけていく赤

カケラになったり

粉になったり

くびれた小瓶に入って

砂時計になってみたり

窓ガラスの粒子もパラパラ

なぞる指さえパラパラ

時の砂のかたちに変われば

あとは恍惚の

恍惚の気化を待つ

崩れる美


戻る   Point(1)