いじめ1ーサカキバラ君について/石川和広
 
くって生活するのが、悲しいかな大人のつとめであるが、僕には子どもはいない。でも僕はいつまでたっても人間が怖い。怖さの感覚も大事かもしれない。

いじめは喧嘩ではないから両成敗とはいかない。ふと思うのは、いじめられた方にも問題があるという考え。
直感的に、何かを言い当てている。しかし問題は誰にでもある。
いじめは軽いゲームみたいなものから色々あるが、これも一種の人間関係だと僕は思う。つまり、相手があってお互い影響を与え合いながら作り上げていくものだ。
僕の場合も、一緒に遊んだりしながら、結果は弟が蹴られたり、僕は突き飛ばされて骨折したりした。
もともと弟をなくしてぼんやりしだした頃から目をつけられていた。
どっちが悪いかをいうよりも、誰もがひとりで悩んでいることがあって、僕のクラスは荒れていた。今も僕の被害者意識はなおってない。
特に十才くらいだったから、一人というものに目覚める時期だ。そこで集まって何かをやらかすというのは、みんな不安だったのだ。(続く)
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