再会の日 〜’05 9月4日 上野水上音楽堂にて〜/服部 剛
 
上音楽堂の黒い門の外に消えた

( ぼくのうすっぺたな胸の内で
  うっすらと忘れかけていたきみの顔を見れた喜びと
  蘇る切なさが人知れず渦巻いていた )

( きみにあの時話せなかった言葉たち
  ぼくの胸の奥の引き出しにしまわれていた
  何通もの手紙は今夜長い沈黙を破るように
  かさかさと動いていた )
 
僕は仲間たちと飲み屋ではしゃいで
美味い酒を飲んだ後
終電のまばらな車両に独り
闇の車窓に
4年ぶりに向き合い
お茶をしながら語らう
きみとぼくを想い浮かべる

リュックサックからノートを取り出し
明日君に送るメールの言葉を
あの頃のように何度も書き直すぼくを乗せて
深夜の電車は今日という日の終着駅へと走った

踏み切りの音を通り過ぎて

眠れる街の休息の後に

明日の陽が昇る方角へ 














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