Strain at the leash/三架月 眞名子
 
天国に注ぐ 暖かい波に
僕はただ、
戯れて(じゃれて)みたかっただけなんだ
僕は持っていない
ただ、それだけ

月夜に 高く 清く
響く君の歌声は
真昼の空でも変わらずに・・・?

太陽(ひ)の光は 眩しすぎて
僕の目は暗んでしまうのに
なぜこれほどまでに焦がれるのだろう?
すべてと引き換えに得られるものなんて 何もないのに・・・


悲運の渦に 君をまきこんだ
僕の罪は
君が奪い去ってしまった
緋色の泪を 賭(と)として・・・

月夜に 淡く 優しく
浮かぶ君の横顔を
真昼の空では探せずに・・・



空虚(からっぽ)の僕に降り注ぐのは
君の歌声 −あの祈りの歌ー



この名も無き物語は
儚くて 刹那くて  僕の
心は永遠に囚われるだろう
君と引き換えに得られたものなんて 何もなかった・・・



何もなかったよ・・・

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