右投げ曇り打ち/チQ
 
なんべんも
あるけれど
蜜柑 これは 爪先の
痛みから来ている話
ただ小さかった
だけでは済まない
親指が内に寄り

膝が象に
なりながら何年も
あのブレザ
放送室
焦がれてた
丸い子と
瓜二つの売り子
目の前を
何度でも行き来する
その度に
挨拶する笑顔から
裏を読む
ようになり
キラと光る目の奥に
きっとある
に違いない
光らない厚い雲

それはこの目にもある
張り付いて
右の目が
いつも曇り
スタメンも
わからない
洗っても
こすっても
清くはない
外しても
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