オキアミの海/あおば
摂氏マイナス60度で貯蔵される本マグロ
真っ白な凍った頭で吠えている
クジラが食べるオキアミは養殖魚の餌ともなるのだが
こちんこちんに固まった肌色煉瓦の真ん中で
溶かされる日をゆっくりとしっぽ丸めて待っている
南氷洋のオキアミは相模湾に投げ込まれ
泡を食い窒息しそうになりながら
バラバラになって溶けて散っていく
薄い色のエビみたいな姿となって
暗い海底めざし泳いでゆく途中
表層の名も無き魚の群に襲われて
びっくり仰天そのまま気絶するもあり
誰も知らない記憶を探せ海の底
クジラに代わり獲物を屠れ
乗り合いの船頭は元漁師
ばかでかいのはいないかと訊ねたら
お
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