日時計/あおば
私は一度も死んだことがありません
だから、よく解らないのですが
静かに息を吸いながら
あなたの詩をゆっくりと読みました
ゆっくりと
もう一度と言う声にうながされ
残照の黄色の花に気が付いた
紅いバラが大好きなあの人は
陽炎ゆらめく春の野を
小川へ遊びに歩いてた
忙しげな揚げひばりの声も
明るい空の光も気にせずに
赤い鼻緒の駒下駄はいて
はしゃぐ影法師追いかけて
小さな日時計手に持って
----------------------------
作2000/12/20
戻る 編 削 Point(5)