『飛行少年、S、の聖夜 1996』/川村 透
 
ョイスティックが
リボン越しに指にふれれば
期待を包む銀の紙、がさりソックスの暖炉に
ゆれ

ゆれて

更け行く聖夜に
変わって行く世界の片隅で
少年の絹のふるえをそっと守るように
プラスチックのジョイスティックたちが
Pの電子音にZZのリズムとJ with Dのパーカッション
プラスチックのジョイスティックたちが
Pの電子音にZZのリズムとJ with Dのパーカッション

裏声で高く小さく
第九、を
歌おう

窓硝子に曇る追憶
ひとつひとつにゆっくりと
あいづちを打ちながら
もう
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