借景/ふう
 
はりついたちりぢれの 
鱗のようなゆううつを以ち 
こうして居る君は
見るもの全ての目に留まり 
詩のように据える
それを誰もが秋だと覚え 
ひとつの忘却にあてがい 
それぞれの食卓に眺めた  
父さん 
もうここには誰も居りません 
突然薬鑵のように泣き出す母  
 

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