五感によせて/
アルビノ
つよい風でゆれる木が
叫び声をあげている
夜は
だれかが故意にこぼした
つぼの中身
ぼくの指先までも暗闇で包む
視覚をうばわれて
ぼくも叫ぶ
泣いてみせても
だれも同情できないと知ってるから
だれかの聴覚に向かって
たすけてって叫ぶの
愚かでしょ
きみの嘲笑が聞こえる
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