五感によせて/アルビノ
 

つよい風でゆれる木が
叫び声をあげている

夜は
だれかが故意にこぼした
つぼの中身

ぼくの指先までも暗闇で包む


視覚をうばわれて
ぼくも叫ぶ
泣いてみせても
だれも同情できないと知ってるから
だれかの聴覚に向かって
たすけてって叫ぶの

愚かでしょ



きみの嘲笑が聞こえる


戻る   Point(4)