たいせつな、/アルビノ
ぼくの大切なものは脳みそで、
おなじ窓を見ても
脳みそがぼくだけの窓をつくりだせるんだ
ぼくが迷子になったら
世界中の人の頭をかち割って
脳みそを見比べて、
ぼくを探してね
ぼくの大切なものは2つの脚で、
あてもなく歩いているようで
本能的にかえる場所を見つめて歩いているんだ
目をとじて歩いているぼくがいたら、
放っておいてね
脚は、
羊水の波音のする方へ
向かっているんだ
きれいな靴はいらないの
うまれたときから
ぼくは裸足だったから。
ぼくを逃がしてね
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