なあなあトエンティース/八月のさかな
満たされたい、なんてよくぼうは
あらたな渇望がこわいから口にだせない
口に出したって
かなうわけではないけれど
世渡り上手の生きじょうず
皮肉交じりの賞賛に傷ついたこともあったけど
たしかにわたしは
満たされなくても、
くるしいほどに求めなくても
なんとか生きていけることを知ってる
べつにびんぼうではなくて
べつにぶさいくでもなくて
ひどく憎まれているわけでもなく
それなりにわたしは愛されていて
まあしあわせなんじゃないかな、
そういう道をわたしは歩いてきたのだし
これでいいのかなあ、
そんな疑問を
おなかやつまさきや耳の裏やかみのけのさきっぽなんかに
いくつもいくつも忍ばせて
しあわせかも、
ひょっとしたらそうでないかも、
でもきっとほんとうはしあわせな道を
わたしは今日もあるいていくんだ
はたちの節目をもくぜんに
そんなことをおもってみたり、する
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