酸素欠乏症の女/ポン太
ふと
思ったのです
こんなに
呼吸が苦しいのは
あの人が
そばにいないから?
もしかしてあの人は
酸素を発していたのでしょうか?
『酸素なひと』だったのでしょうか?
だとしたら
ああ なぜ今頃そんなことに気付くのでしょう?
あの人はもういない
ここにはいない
それは
私が望んだこと
衣服を剥ぎ取られ 素っ裸になった私に
『後悔』という名のバスタオルが投げられた
私は
震える身をそれでくるみ
二本の腕で
しっかりと抱きしめる
あわれな
酸素欠乏症の女を
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