不自由帳/A道化
だって
どの午後にも
煩い色彩がありました
静けさは無く
とりわけ静かな白は無く
ぬるい絵の具にわたし
どうしたってなってゆくみたい、と
教わらなくても、気が付いて
少し泣きながら諦めはじめた少女に
夏の終わりの午後があり
だって
どの午後にも煩わしさがあり
どの午後にも煩い色彩があり
どの午後にも静けさは無く
とりわけ、静かな白はどこにも無く
それでも、あの夏の終わりの
あの午後のわたしが最後でした
不明瞭な宿題を右側へと押しやり
嗚呼、その少女が
白紙欲しさに泣いたのは
2005.8.16.
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