昼休みのラーメン屋にて 〜ありんこ営業マンの夏〜/服部 剛
わびる
(安イ給料カラ・・・ナンデコンナニヒカレルノォ〜・・・)
明細のすみずみをみつめていると
日頃の仕事でうっかりと
自分が空けてしまった穴をふさごうと
飲み仲間の先輩上司のAさんや後輩OLのB子ちゃんが
冷や汗たらして西へ東へ四つんばいで這う姿が浮かんできて
鼻下に汗の滴を浮かべつつラーメンすすれば
3年前の職場でのあんな秘め事こんな秘め事や
×××××・・・
までもがなぜか思い出されて
(すでに職場を去ったC子ちゃんは今いずこ・・・)
上司の評価なんぞはど〜でもいいように思えてきて
しまいに鼻水たれてきて
挙句の果てに
手を伸ばした先の「スコッティ」の箱は空で *
仕方が無いから
明細ちぎって さっ とふいて
ラーメンの器の横に置かれた
隅っこのちぎれた明細は
4つにたたみ
ズボンのポケットにしまった
*スコッティ・・・ティッシュペーパーの銘柄
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