雷雨の夜に/
黒田康之
てゆく
強がるばかりのお前は
その日焼けした臑で
つまらなそうに空気を蹴っては
過去にしでかした過ちのいくつかを
まったくしゃべりたくなさそうに口にするのだろう
明日はこのかわいいお前のために
どうしようもなく夏の花でいっぱいの二人の溝のために
花火が上がる街まで行って
僕の溜息がお前に聞こえぬ時間をあげよう
大きな花火が
大きな音で
ただお前の生を称えるように
僕はお前を抱いて祈ろう
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