@4 墓標/
貴水 水海
悲しげな横顔を今も思い出す
雨の日も晴れの日も
切なくて
悲しくて
愛しくて
届かない
想い出は
もう
葬ってしまおう
墓標は白いユリの花
ふと見上げた夜空に
寂しげな横顔を見た
苦しくて
触れたくて
会いたくて
叶わなくて
想い出があっても
人は生きる
墓標をいくつも守りながら
時計の針を戻しても
あの頃には帰れない
砂時計の砂を散らしても
あの時には戻らない
ならば
もう
葬ってしまおう
墓標は白いユリの花
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