しゃくねつのなつのうらがわで/
八月のさかな
灼熱の夏のうらがわで
たいようがかなしげにゆれているのを
みのがすひとにはなりたくなかった
カラフルなひよこがちいちいと泣く
こどもがそれを買ってとねだる
ゆかたのわたしはそれをみて
ただ、すこうしだけ目をそらす
きたないものをみても
かがやくものをみても
どうしてかひとは、争うけれど
わたしは
わたしだけでも
灼熱の夏のうらがわで
たいようといっしょに
涙を流すひとでありたかった
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