よそゆきじゃなきゃだめなのに/八月のさかな
ねまきのまま街をあるいて
みずしらずのひとにじっとみられた
さみしくてふるえだしたからだは
じぶんで抱きしめた
よそゆきじゃなきゃだめなのに
うまく笑えなくて
お化粧もしなきゃだめなのに
かさかさになってしまって
さみしくてうずくまったわたしの
肩をとんとんとたたいて
暗くなるからかえったほうがいい、つよそうなひとがいう
嘘もじょうずにつけないようじゃ、生きてなんていけないよ
そう言ったつよそうなおんなのひとは
そのよる首を吊って死んでしまった
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