らう゛/イタチ
どっかの自動販売機
お金を入れると 愛情ドリンクが出てきた
喉は潤ったが それは一時のことで
またお金を入れて 僕は愛情ドリンクを買った
どっかの無料コインロッカー
100円を入れてロッカーを借りると
借り終わった後に入れた100円が戻ってくるものだ
の筈なのに そこにお金の入れる穴はなかった
変わりに “愛情を” と書いてあった
僕は愛情を見えない穴に入れて ロッカーの扉を開けた
ロッカーの中には何もない
そりゃそうだ 僕が何かをこの中に預けるんだ
そう安心して何かを預かってもらえるんだ
僕は何かを入れて
どっかの自動販売機にいって
その 何か を取りにこの無料コインロッカーに帰ってきた
扉を開けると
「ガシャン」
僕が入れた愛情が 何か になって戻ってきた音だった
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