おはじき/あおば
テル貼りに勤しむ毎日
時代精神の家の子郎党は戯れて火と燃え上がり
遊びに夢中
雲となり雨となる
その中で純粋な彼岸の輝きは中途にして飛び散り
重たいものを残して燃え尽きた
あたりは灰だらけ
雨がぬばたまの夜の上に降りつづく
雨が止み 風がキリを払うと
紅いスカートの女の子がやってきて
濡れた灰の中からおはじきを拾って弾くと
空は瑠璃色に輝きわたり
純白の朝を迎えた
雰囲気を複写し終えて帰る頃には日永の
暮れ六時になっていた
忙しい車を避けて路地を抜けると下水の
U字溝がぽとりと音をたてた
快い水音は軽やかに規則的にあたりに充満する
ふりかえると紅いロン
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