いつかへとつづくあゆみ/服部 剛
教室の窓際の席で
空に浮かんだ雲を眺めて
先生の話はうわの空
君にはきっと
いつまでも見つからない
「探し物」がある
机の下に隠した携帯電話が
理由(わけ)もなく震えて
受信したのは
同じ教室の中から送信された
友達からのメッセージ
大人に言えない本音の呟(つぶや)きは
いつも小さい画面の中
やがて脱ぎ去る制服は
すでに胸の内の焼却炉に燃やして
「少女」から「女」へと
化粧が素顔にしみこんでゆく
(あるいは化粧が仮面となってゆく)
君の耳を吹き過ぎる
風の詩(うた)の言葉にならぬ鳴き声を
君は
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