『批評は誰のためのモノか?』/窪ワタル
 
ネットという媒体は、批評には不向きである。批評の形式の問題ではなく、この媒体の特殊性がそうさせるのである。匿名性が極めて高いこと、垂れ流し的になり易いこと、広く公開され、即座に反応出来るだけに、余計な横槍が入ることもある。そもそも、言葉だけで、リアルタイムかそれに近いやり方でやり取りするのだから、よほど慎重な配慮が必要になる。配慮したつもりでも、誤解も生まれ易い。議論が、作品の中身とは別の所へ飛躍してしまい、ただの揚げ足取りや、誹謗中傷合戦になるに至ってはもう最悪である。

しかし、これらのことは、実は、枝葉の問題に過ぎない。幹は別の所にあるのだ。
賢明な詩人諸氏ならば、そのことにお気付きの
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