見たこともないさよならが/
八月のさかな
見たこともないさよならを
毎日つぶやいているうちに
つめたいそれは温度をもって
かわいたそれは潤いを増して
かなしみに包まれたフィルターを
たぷたぷと揺らしながら
ぼくを爆破した
見たこともないさよならと
見たこともない焼け焦げたぼく
らせんを描くように
ゆっくり、ゆっくりまわって
そうしていつかまた出会う
いつかまた
さよならを言うために
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