死ぬ順番/宮前のん
 
も最新刊を沢山持っていらして、
(旦那さんが頼まれて買ってお持ちになるのです)私はよくお貸しいただきました。
ある日、いつものように病室を訪ねると、「天の瞳・青年編」の最新刊が枕元に置いてありました。
近々買いたいと思っていたのだと、私は患者さんに言いました。
そして、いつも旦那さんが優しくてうらやましいと。
すると患者さんは私に「先に読んでいいよ」と、私にその本を貸そうとしたのです。
いいですいいです、お先にどうぞ。と私は断りましたが、その時に言われたのです。

「あのな、死ぬ順番なんて決まってないんやで。私の方が先やと思い込んでへんか?」と。

見透かされたようで、びっくり
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