私の友人/スプートニク
ドーナツの真ん中の穴から友人のAさんが訪ねてきた
「どうもどうも」
いやなに ちょっと暇だったもんだから
Aさんはドーナツの真ん中の穴から
ずかずか部屋に上がってきた
時々こうやって突然現れるのだ
3週間前は急須の中からやって来た
「どうしてるかと思ってね」
トポトポと良い香りのする紅茶を入れてくれながらAさんは話す
前回急須の中からやって来た時に
「最近のヒット紅茶」
とプレゼントしてくれたものだ
「ドーナツの中から出てくるとは思わなかったよ」
「ふふふ 油断したね」
「それにしても良い香り 女の子の匂いがする」
「ところで最近どう?」
そこで私はニヤ
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