昇天日和 (2005.7.18)/和泉 輪
 
私の葬式がささやかに執り行われ
友人らが久しぶりに集まった
青空には透明な道が果てしなく続き
新緑に人々の喪服が映えて美しかった
一滴の涙も流されず むしろ
想い出を懐かしむ声で
小さな式は華やいだ
そこで出会った一組の男女が
互いに好意を覚え
樹の蔭で未来を見つめながら
約束を交わした
私は安心して燃えてゆく
青空より遠く── 私は
やがて何処かへ行ってしまった

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